総務省による大手キャリアなどへの禁止行為
「回線契約とひも付く端末購入時における2万円を超える利益提供」

つまり、端末のみ購入の場合と、回線契約をした端末購入との価格差が20000円以上あってはならないということ。
ケータイ販売店が回線契約に伴いいろいろなんだかんだサービスや割引をして1円で売り出された端末は、回線契約なしの端末のみの場合はプラス22000円(税込)で買えるということ。
端末だけの販売を拒否することも禁止されています。

1円で買えるようになってる端末はだいたいは中級か型落ちのたいしたことないスマートフォンが多いのですが、たまにそこそこの中高級機種が出てくることがあります。
記事執筆時点ではiPhone SE(オフィシャルストア価格 62800円)やPixel 6a(同 53900円)などが1円+22000円で販売されています。
Pixel 6aは2ヶ月前に発売開始されたばかりの最新機種です。
いまはキャリアで買った端末にもSIMロックはかかっていませんから、オフィシャルストアのSIMロックモデルと全く同じものです。

ただし、このいい機種の1円販売はどこの店でもやってるわけではありません。しかもネットで宣伝しているところはほとんどありません。
店頭まで行ってはじめてわかるのです。

記事執筆時点でau系の店でよくこの手の割引をしているという情報を聞き込み、自転車で近所のauショップを回ってみることにしました。

最寄りの店はダメだったのですが(9800円だった)、少し離れた店に行くといきなり1円の店が見つかりました。
ただ料金を宣伝するポスターに「入荷予約受付中」と書き足されていました。在庫がないようです。本当に本当にないようです(笑)。



つぎに比較的大きな町の駅周辺に3つもauショップがあるところへいってみました。競争があって1円のところが多いんじゃないかと思ったのですが、全くだめ。どこもしょぼい機種しか1円になっていませんでした。
さらに駅から離れた街道沿いのショッピングモール内の店に。ここは正確にはauショップではなく、UQモバイルも扱うUQスポットという店。店の規模も小さくモールの中のすみっこにこじんまりとあり、探すのも大変な店でした。

が、ここでビンゴ! みつけました。1円! Pixel 6a のほか iPhone SE も。

もしあなたが1円で他社からの乗り替えを考えているなら、なんの問題もありません。店員さんにそういえば店員さんは喜んで手続きをしてくれることでしょう。
ただぼくは回線契約をするつもりはありません。SIMロックフリーの端末のみがほしいのです。

お店は端末代が1円でも他社から乗り換えて回線契約さえしてくれれば月々の料金からどんどん取り返せるので大満足、それこそがこのキャンペーンの目的です。
しかし販売価格5万円を超える端末を22001円で売り切ってしまっては明らかに損。しかし決まりで22000円以上高くすることはできない。端末のみの販売をしないわけにもいかない。どうすれば損を減らせるか。

端末のみの販売を拒否するしかない……。

ここで店と客の知恵比べがはじまります。
まずはネットで敵の作戦を調べます。
敵の販売拒否の二大作戦は、
「在庫がない」と「割引しない」
のようです。

あからさまに「端末のみでは売らない」とはっきりいう店もあるようですが、穏便に断るには在庫がないというのが一番角が立ちません。
「割引しない」のほうははっきりいわれると、もうこちらはそれは違反だろとしかいえないので、それで押されると、こちらは総務省に通報するくらいしかやることがないかも。
ネットを見ていると、店側のあまりな態度に喧嘩腰で対抗して押し切ったような報告も載っているのですが、できれば穏便に済ませたい。

ただ相手の「在庫がない」作戦はこちらでなんとか回避することができるかもしれません。

個別のauショップのサイトに行くと、機種の予約ができるようになっているので、1円を確認したら、サイトからその機種と訪問日時を予約してしまえば、けっこう外堀は埋められます(それでもサイトの更新が遅れていてもう在庫はないとかいわれることもあるようですが)。
今回もネット予約しようとしたのですが、敵もさるもの、サイトの予約できる機種にPixel 6aが載っていませんでした。
こうなったら直接乗り込むしかありません。

実際に行った作戦で解説します。

まず店頭のポスターで1円を確認。
最初のお店ではここに「入荷予約受付中」とあったので詰んでいましたが、ここにはありません。

「Pixel 6a に変えようと思っているんですが、在庫はありますか」

ここで訊かれた店員はびっくりするほど予想通りの答えを繰り出しました。

「どういった契約をお考えですか」

質問に質問で返すずるいやり方。
もちろんここで「端末のみの購入を考えています」などと答えると、しばらくお待ちくださいと確認するような猿芝居を始め、在庫はありませんといわれるのが落ちです。
こういうずるい手を繰り出してくるなら、こちらも同じく猿芝居で返すしかありません。

「今ドコモなんで、乗り換えか新規で……」

店員さん、在庫を調べ、在庫ありますと答えてくれました。
まずは第一段階、在庫があることを認めさせることに成功。
このあと、どうでもいい質問をいくつか繰り出した後、頃を見て、

「ポスターに端末のみの購入もできますって書いてありますが……」

と今気付いたかのような渾身の小芝居。店員さんは端末のみだと1円ではありませんが、などとわかりきったことを答えてくれるので、

「端末のみだといくらになるんですか」

ここの店員さんは正直なかたで22001円ですと教えてくれた。
ひどい店だと端末のみ販売用の在庫は、回線契約用とは別になっていて在庫切れですなどと断ってくるところもあるらしい(もちろんうそ)。

「ああ、だったら端末のみでもいいかなあ……」(棒読み)

とここまでいけば、店員さんが販売を拒否することは難しいはず。

「じゃあ、端末のみでお願いします」

小芝居合戦に勝利。買えることになりました。
が、ここで思わぬ壁が突如現れました。
もともと1人1台限りとはポスターに書かれていましたが、サポートともちろん転売対策なのでしょう。購入時にau IDを作ってくれといわれました。
au IDを作るにはショートメッセージの受けられるケータイが必要なのですが、普段使っているスマートフォンはデータsimしか入っておらず、通話用の端末は家に置いてきていたのです。
au IDを作ってくれないと売れないといわれたので、その日は退散です。一応取り置きはしてくれると約束してくれたので後日受け取りに行くことになりました。
つまり、auではショートメッセージの受けられる端末を持っていないと、端末のみの購入はできないということです。お気をつけください。
ここでもこのお店は比較的良心的といっていいでしょう。取置きはできませんといっておいて、顔を覚えておいて後日来たら在庫切れですといえばいいのですから。

というわけで、日を改めて再びお店に。
最悪の場合、店員さんが代わっていてそんな取り置きは知らないととぼけられるとかがあるんじゃないかと恐れながら行きましたが、普通に買えました。22001円。

最後はau ID のほか、ダメ押しに身分証明書を求められました。もちろん持っていってましたが、回線契約のないただケータイ電話を買うだけでそこまでしますか。
そして、最初お店に行った時にはあった一括1円のポスターはこのときにはもうなくなっていました。

7月28日発売の定価53900円のPixel 6aが発売2ヶ月後に22001円で買えましたというお話でした。この店の損失は回線契約をしたユーザーの皆さんが毎月少しずつ補填してくれることでしょう。

めでたしめでたし。

2022年9月のブログ投稿